2018年10月7日(日)、宇治橋・興聖寺・府立宇治公園一帯で「第67回 宇治茶まつり」、「宇治茶まつり」、「宇治茶スタンプラリー」が同日開催されました。
伝統ある「第67回 宇治茶まつり」。豊臣秀吉の時代に思いを馳せて
午前9時。宇治橋の三の間(上流側に張り出した部分)で「第67回 宇治茶まつり」の「名水汲み上げの儀」が始まりました。
「豊臣秀吉が宇治川から水を汲んで茶会を開いた」ことにちなみ、当時を思わせる狩衣姿の方々が三の間からつるべを垂らし清水を汲み上げて竹筒に移されます。秀吉が茶会好きだった事は有名ですが、その再現を目にする機会は少ないかもしれませんね。
汲み上げられた清水は時代行列により興聖寺まで運ばれます。宇治川周辺の歴史あるまちで行われる厳かな行列は雰囲気があり見ごたえも充分。改めて地域の素晴らしさを感じ、宇治茶の文化を誇りに思いました。
午前10時頃。清水が興聖寺に運び込まれると「茶壺口切の儀」が行われます。
今年の新茶を封じた茶壺が仏前に供えられているのですが、この茶壺の口を切り、中の茶葉を石臼で挽いて抹茶にすると、先ほど汲み上げた清水を使ったお湯でお茶をたてます。この儀式は全国からの観光客や茶業に携わる方など大勢の方々が毎年観に来られる様です。
このあと茶祖に献茶する「御献茶式」が行われ、栄西禅師が開いたと言われる建仁寺の読経が行われました。
人々の熱気溢れる境内で静々と執り行われるこれらの儀式。先人への感謝の気持ちを忘れない奥ゆかしい行事に心が清められる思いです。
一方、府立宇治公園「橘島」では「お茶のみコンクール」や抽選会などが行われました。お子様連れのファミリーから年配の方まで、多くの方で賑わっていましたよ!そのほか興聖寺など数ヶ所で茶席や点心席も設けられていた様です。お茶を愉しむ様々な工夫がされているんですね。
この宇治茶まつりは、お茶を中国から日本へ伝えた「栄西禅師」、宇治に茶園を開いた「明恵上人」(※)、「千利休」の三恩人への感謝を表し、さらに茶業功労者の遺績を追慕し宇治茶の隆盛を祈願する歴史ある行事です。毎年10月第1日曜日に行われているので、今年行けなかった方も来年行ってみてはいかがでしょうか?伝統ある行事を自分の目で見るというのもなかなか良いものですよ。
(※以前「ユニークな発想!【クイズ】」で明恵上人を少しご紹介しています。以前の記事はこちら)
体験型イベント「宇治茶まつり」。お茶をとことん楽しむ1日に
府立宇治公園の「宇治茶体験コーナー」では手もみ体験(無料)、石臼体験(無料)、焙じ茶体験、合組体験、抹茶アート体験が行われていました。(※)
(※手もみ体験、石臼体験、抹茶アート体験は、以前「『宇治新茶八十八夜茶摘みの集い」』に行ってきた!【ALCOレポート】」でALCOスタッフが体験しています。以前の記事はこちら)
「宇治茶まつり出店コーナー」では宇治茶スイーツや茶関連商品、やましろ地域ふるさと産品などが販売されていました。手作りの商品などをメインとした「チャレンジショップ」も出店されていましたよ。
会場には各市町村のPRブースが設置され、ご当地キャラも登場!たくさんのキャラクターが集合し、子供たちを喜ばせていました。写真は宇治市の「ちはや姫」、城陽市の「じょうりんちゃん」、京田辺市の「一休さん」、笠置町の「笠やん」。
JR宇治駅では宇治茶の振る舞いや「宇治茶BAR」があったので、ALCOスタッフもお茶をいただきました。爽やかな香りに心癒されます。(パンフレットによると、同じイベントが京阪宇治駅でも行われていた様です。)
大人も子供も楽しめる「宇治茶スタンプラリー」。宇治茶の見方も変わるかも?
京都文教大学の「宇治☆茶レンジャー」主催のスタンプラリーは、クイズなどを通して宇治茶の事を学べる素晴らしいイベント!大人も子供も楽しめる内容でしたよ。
テーマは3つ、「宇治茶の歴史・文化にふれる」「宇治茶の製法を知る」「宇治茶について学ぶ」。歴史あるお茶屋さんはもちろん、お茶の道具にまつわる場所や茶園、体験施設などを巡る中で様々な角度から宇治茶について学ぶ事ができます。
ファミリーで楽しく学べるだけでなく、人と人とのふれあいのある温かみのあるイベントだと思いました。(そしてウォーキングにもなって健康的!)学生さん達の様々な工夫が光っていましたよ。
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