「夜船(よふね)」と「北窓(きたまど)」という食べ物をご存知でしょうか?
…「でしょうか?」というか、絶対にご存知です!
実はこの2つ、同じ食べ物なんです。
しかもまだ2つ呼び名があります。
その名前こそが…「おはぎ」と「ぼたもち」!
春に食べるのは「ぼたもち」。
夏に食べるのは「夜船」。
秋に食べるのは「おはぎ」。
冬に食べるのは「北窓」。
季節ごとに呼び方が変わるなんて昔から愛され親しまれてきた証!
春と秋の呼び方については以前の記事でご紹介しましたが、夏と冬はどういうわけなのでしょうか?
まずは夏の「夜船」から。
夏の夜船とかけまして、おはぎと解きます。
そのこころは…どちらも「いつついたのか分かりません」。
夜船は闇の中やって来るので、岸に「いつ着いたのか分かりません」。
お餅は杵と臼を使って「ぺったんぺったん」とつきますが、おはぎはもっと静かに作られるのでお隣りの人にも「いつついたのか分かりません」。
では冬の「北窓」はどうでしょうか?
冬の北窓とかけまして、おはぎと解きます。
そのこころは…どちらも「つき知らず」でしょう。
北向きの窓からのぞいても月が出ているか分からないので「月知らず」。
おはぎは先ほどと同じでいつついたのか分からない、つまり「つき知らず」。
か、かしこい…!
とんちがきいてる!(一休さーん!)
何かいま「春夏冬中」を連想しました。
さて、全3回の連載コラムは今回で終了です。
最後ということで「棚からぼたもち」について普段からちょっと思っていることを書いてみます。(独り言です。)
意味は皆さんご存知「思いがけない好運を得ること」ですが、実はこんな続きがあるんじゃないかなって個人的に思っています。
「棚のぼたもちを何も考えずに食べたけど、ぼたもちが古くてお腹をこわした。」
棚に入っていたぼたもちっていつの物か分からないのに、「わ~い、棚からぼたもちだ!」なんて喜んで何も考えずに食べちゃだめ!
思いがけない好運に出会っても舞い上がらずに、「そのぼたもちは本当に食べて大丈夫?」と一度冷静に考えた方が良い気がします。
誰か悪い人が棚に入れておいたのかもしれないですしね。
◆関連記事
・<連載コラム1>「おはぎ」と「ぼたもち」の違いを説明できますか?
・<連載コラム2>「半殺し」も良いけど、今日は「皆殺し」の気分…。え、食べ物の話ですよ!