こんな言い伝えがあります。
「城陽には『長池』という地名がありますが、その名のとおり、昔その場所には300メートルほどの長~い池があったそうです。そこに住んでいたのは何と恐ろしい大蛇!時々姿を現しては人々に悪さをしていました。
村人たちはその大蛇を神様に退治してもらおうと、近所の神社という神社を拝んで回りました。すると刀を持った人がどこからともなく現われ、大蛇を切り捨てて行ったのです。
大蛇のしっぽからは立派な剣が出てきました。村人たちはその剣を大和(現在の奈良)の石上神宮(いそのかみじんぐう)に奉納しました。それからというもの池は静まり村は栄えたという事です。」
蛇は古来から日本でも、また世界を見ても、時には恐れられ時には崇められてきた不思議な存在です。
実際、日常生活の中でも蛇は恐ろしい生き物であると同時に農家の天敵であるネズミを食べてくれる大変有り難い存在でもありました。
天使か悪魔か…この大蛇もその両面を持っているのかもしれません。それは、時には氾濫し時には田を潤す「水」、あるいは「自然」そのものを表している様にも感じられます。
(写真は長池駅前広場。大蛇の頭の形をした池があり、しっぽに当たる部分には剣を模した時計台があります。)