京都初のAVPN(真のナポリピッツァ協会)認定店が誕生しました!大削恭介さんの「Antica Pizzeria L’ASINELLO(アンティカ ピッツェリア ラジネッロ)」(京都府宇治市宇治妙楽41 大阪屋マーケット内)です!世界で904番目のAVPN認定店として、宇治の方による宇治のお店が世界の歴史に名を刻んだ瞬間となりました。
大削恭介さんは何と「AVPNナポリピッツァオリンピアディ2019」で世界第二位に輝いたピッツァイオーロ(ピッツァ職人)。昨年、特集記事の取材でご本人にお話をうかがった際に「このお店をいつか京都で第一号のAVPN認定店に出来れば嬉しい」とおっしゃっていたのですが、翌年に早くも実現されるなんて、またまた「すごい!」としか言いようがありません。
今回改めてお話をうかがったところ、「まだまだこれから」「ここからがスタート」だとおっしゃっていて、喜びや感慨深さだけでなく、これからのご自身の役割や更なる躍進に向けての意気込みなど様々なお気持ちをお聞きする事が出来ました。
まず、ピッツァに興味を持ち始められた頃はAVPN認定店をひたすら食べ歩き、「ピッツァとはどういうものかを教えて頂いた」という事です。そんなAVPNはご本人がピッツァの道を志したきっかけでもあり、最も歴史がある協会で、第一線で活躍されている方々が顔を並べる憧れの協会だという事です。
そしてご自身がナポリ修行に行かれる際も協会の方からアドバイスなどを受け、AVPNの世界大会では快挙を成し遂げ、また大会の場などで素晴らしい職人の方々から多くの刺激を受けたりと、「ピッツァイオーロ大削恭介」の歴史においてAVPNは切っても切り離せない存在のようです。
今回の認定式でも「素晴らしい職人の方々とお会いでき、多くの刺激をもらえた事が一番の収穫だった」とお話して下さいました。また、少し遠方からでも勉強の為に通い続けたAVPN認定店の方が今回は審査側として参加されたという事で、そのような場で正式に認められ「AVPN認定店」として肩を並べる事ができたというのも、何とも感慨深いお話です。
さて、認定の審査は想像以上に厳しいもののようです。まずお店に審査員の方が来られ、食材や道具などから生地の練り方、窯の状態までを一つひとつチェックされ、きちんと規約に則って作られているかを厳しく審査されます。その審査を通過すると、会場で実際にピッツァを焼く最終審査が行われます。窯の温度や生地の状態など繊細な条件が多いピッツァですが、当日の自分の順番や具体的な時間は直前まで分からないそうです。
そんな中、15分ごとにタイマーをセットして練習を重ね、何時に当たってもきちんとした仕上がりになるようにと準備してこられました。「これで駄目なら悔いはない」というほど真剣に準備をされてきただけに、当日は誰よりも緊張感なく楽しんでおられたようですよ!このようなお話を聞くと、やはり評価される方はそれだけの努力をされているのだなあ、と感じずにはいられません。
すでに世界大会で結果を残しておられる大削恭介さん。今回の会場でも、周囲からの今後への期待を感じられたそうです。それを重圧だと感じるのではなく、糧にされるのがやはりプロ。大会には今後も出場し、賞など「取れるものは全部取ってやろう」という気概で貪欲に頑張っていきたい、という事です。
そして「これからも皆様に失礼のない様にきちんとしたピッツァを焼く作業を重ね、京都初の認定店という重みも楽しんでいきたい」、また「気持ちも新たに原点に立ち返り、どれだけ忙しくても丁寧に、楽しみながらピッツァを焼き続けていきたい」とのこと。さらに「ピッツァをきちんとやる為にはそれなりの覚悟や苦労が必要である事を、若い世代へもしっかりと伝えていければ」との事でした。
AVPNについては「今後、協会の中でも存在感を発揮できるよう頑張りたい」「昔の古き良きナポリを知っておられ、現在も第一線で活躍されている協会の方々からも今後ますます多くの事を学べれば」とのこと。
今回の取材では大削恭介さんの向上心の高さと勉強熱心なお人柄、たゆまぬ努力に裏付けされた華やかな栄光を見る事ができました。異なる職業の方にとっても刺激のあるお話だったのではないでしょうか。