2022年5月5日(木・祝)こどもの日、宇治市で12・13羽目のウッティーが誕生したというおめでたいニュースが入ってきました!
宇治では人工ふ化でヒナが誕生していて、そのウミウたちは「うみうのウッティー」と呼ばれ、「宇治川の鵜飼」で活躍しています。
人の手で育てられたウミウたちは人によく慣れているため、宇治では今後、綱を付けない「放ち鵜飼」にも挑戦される予定。(現在のところ、今年の秋に第1回目が予定されています!)
そんな中、本日午前6時頃、午後1時40分頃に合計2羽のヒナが誕生しました!宇治で3年ぶりの人工ふ化です!
ウミウの親としてお世話をされている鵜匠の方(鵜飼で鵜をあやつる方)によると、前日の午前10時頃、2つの卵に小さい穴が開いているのを発見し、(生まれる前に肺呼吸に変わるため)丸1日かけて少しずつ卵を割っていったのだとか。
それだけでもすごく大変そうですが、生まれてから餌をあげるのがまたひと苦労。
生まれた直後のヒナはある程度体内に栄養を蓄えているそうですが、少し時間が経つとお腹がすいてきて、ねだるように鳴くそうです。(可愛い!)
ヒナは体が小さいので(生まれた時は体重40.1グラムと36.4グラムでした!)1度にたくさんの餌をあげる事ができず、現在は約2時間おきに与えておられます。
餌やりの際には温度管理も重要で、手際の良さも必要だったり、誤嚥(ごえん)などもあるため緊張感があるようです。
また、ヒナの成長はとても早く、10日を過ぎた頃から食べる量が増えてきて、成鳥以上の量を食べるようになるのだとか。
そうなると今度は鯵を3枚におろしてペーストにするという作業に追われる事になり、まだまだ大変な時期が続くそうです。(大変すぎる…!)
ちなみにヒナたちは、1週間ほど経った頃から目が見えてくるそうです。
今回誕生したのは、1羽(写真左)は両親ともに人工ふ化のウッティー、そしてもう1羽(写真右)はお母さんが人工ふ化、お父さんが野生のウミウだそうです。
野生のお父さんはとても高齢(18歳くらい)で、片目が白内障で見えない状態だそう。鵜匠の方が「何とかこの父鳥の子供が生まれてくれれば」と願っておられたところ、1番に生まれてとても喜ばれたそうです!
母鳥が産んだ卵は巣の中から温度管理のできる機器へと移されるのですが、「母鳥は巣に4つの卵がそろうまで卵を産み続ける」などの理由から、巣から卵を取り出す代わりに偽卵を入れておくのだそう。
その偽卵を高齢の父鳥が一生懸命ずっと抱いていたそうで、その間にも体力を奪われ、親鳥はふらふらになっていたそうです。
無事に生まれて、本当に良かった!
現在、ウミウの卵はまだ4つ残っています。温度が高すぎると早くふ化してしまい、ヒナが未熟児で生まれる恐れがあるため、これまでの経験をもとに0.1度単位で調節して温めておられるのだそう。
今後が楽しみな気持ちと今回ヒナが生まれた感動、そしてウミウの人工ふ化とヒナのお世話がこれほどまでに大変だと知って、「本当にご苦労様です!」と頭を下げたい気持ちでいっぱいになりました。