2021年7月18日（日）、「UDCU / 中宇治BASE オープニングイベント 〜 中宇治トーク&オープンハウス＠中宇治BASE」が開催されました。
今回のイベントは官・民・学連携でまちづくりに取り組む「アーバンデザインセンター宇治（UDCU）」の一般社団法人としての設立、その活動拠点となる中宇治BASEのオープニングを兼ねて開催されたもので、4月に行われたキックオフイベントに引き続き、まちづくりについて考えるきっかけづくりの意味合いもあります。
オンラインも含めて多くの方が参加され、UDCUやまちづくりへの関心の高さがうかがえました。
また、同時にイラストなどを用いて内容を可視化するグラフィックレコーディングも行われ、進行がより分かりやすくスムーズに感じました。見ている人にも理解しやすく、共感できる内容も多くあり、時折り見学されている方々が深くうなずく場面も見られました。
今回のテーマは「中宇治のまちづくり 〜 これまでとこれから」。
中宇治エリアの特徴は？
どんな人が暮らしてる？
観光は？
子育ては？
目指すまちの形とは？
などなど…様々な角度から分析するのはもちろん、宇治で暮らしていて実際に感じる事、宇治市に引っ越してきて気付いた事といった体験談なども交えて話し合うことで、厚みのある内容となっていました。
まず、森 正美氏（京都文教大学教授･UDCUセンター長）から概要などについてお話がありました。その中で印象に残ったのは「ウォーカブルなまち」という言葉。これは中宇治のまちづくりにおいて大きなキーワードのひとつになっているようです。
続いて、学生の方々の活動内容などがお話されました。その中で「奥・ゆかしいまち 中宇治」としてこのエリアを「廻遊式庭園」のように捉える提案がされていて、ここでも「コンパクトでウォーカブルなまち」というフレーズが出てきました。まちをゆっくりと歩きながら楽しめる環境があると、観光客の方はもちろん地元住民の方も心が豊かになりそうな気がします。
ラウンドテーブルディスカッションのテーマは3つ。
「ツーリズムとまちづくり」「居住者の多様性とまちの設え」「中宇治がモデルとなるために」。
宮城 俊作氏（東京大学教授･UDCU副センター長）による進行で、観光の分野だけにとらわれず、自治体の役割の重要性や、まち全体で子供を見守り子育てにやさしいまちづくりを目指す事、他の地域のモデルとなる事など多岐にわたる内容が話し合われました。
その中で出て来た「中宇治のゆるさ、不便さがあるのが良いところ」という考えも面白く、中宇治以外のエリアにお住まいの方々がそれぞれの地域について、観光エリアについての思いなどをお話されたのも印象的でした。
また、新旧さまざまな店舗や住民が融合したまちには様々な視点や面白さもありますが、一方で移り住んで来た人が「私は地の人じゃないから」と遠慮してしまい、なかなか率先して活動できないという課題も浮き彫りになりました。子育てについては大学生の方からも「働きながら育児ができる環境があれば」といった声が上がりました。
「子育てにやさしいまち」などにも力を入れる宇治市長の松村 淳子（あつこ）氏は、「これから子育てのあり方が多様化していく中で、様々な事を試していくことも必要」だとお話されました。
また、まちづくりについて「今日の様に中宇治エリア以外にお住まいの方の意見を聞く事も大切」「色んな方の知恵を借りられる仕組みづくりを」「手間ひまを掛ける事も時には必要。効率だけにとらわれずしっかりと歩んでいければ」といった事などもおっしゃっていました。
後でお話をうかがったところ、次のようにお話して下さいました。
「まちづくりは人と人とのコミュニケーションだと思っています。コロナ禍においては感染拡大防止の努力を最大限に行いつつ、しっかりと会話をしながらまちづくりを進めていければと思っています。また、今日はITを使ったハード面のお話もありましたが、若い方々と一緒に行っていくのもまた良いものだと感じました。」
まちづくりは様々な人を巻き込んだ大きな事業。観光のあり方、子育てのあり方など時代とともに環境が変化していく中で、地域の人たちが明るく心地よく共存できれば良いですね。
UDCU / 中宇治BASE オープニングイベント 〜 中宇治トーク&オープンハウス＠中宇治BASE イベント概要
開催場所 中宇治BASE（京都府宇治市宇治妙楽21-1）
開催日 2021年7月18日（日）
開催時間 13:00 受付／トークセッション 13:30～16:00
テーマ 中宇治のまちづくり 〜 これまでとこれから
HP https://udcuji.net/（アーバンデザインセンター宇治）
