一休寺納豆の仕込み作業が公開。今年は黒豆も初仕込み【京田辺市】

2021年7月20日(火)、酬恩庵(しゅうおんあん)一休寺(京都府京田辺市薪里ノ内102)で行われている名物 一休寺納豆の仕込作業が公開されました。一休寺の画像

 

今年仕込みが行われるのは2桶。

1桶は通常通りのもので、昨年から滋賀県の有機栽培大豆を使用されているそうです。

もう1桶は、なんと黒豆を使用したもの!これまでにも試験的に作られた事があるそうですが、1桶分もの量を仕込むのは今回が初めてだという事です。

この日は黒豆を仕込む作業が行われました。

一休寺納豆を作るには、まず豆を蒸し、はったい粉と麹を混ぜ、麹蓋と呼ばれる木箱に入れて2日間、蔵で発酵させるという事です。蔵の画像こちらの蔵は築約300年だそう!

そして発酵を止めるために別の場所へ。

2日間置いたものが、こちらです。一休寺納豆取材日の工程1の画像辺りには醤油を思わせる香りが漂っています。

この日はまずこちらの麹蓋から掻き出し、粉の部分を細かく崩す作業から。

麹蓋の底に筋が入っていたのですが、これは発酵を促すためだそうです。一休寺納豆取材日の工程2の画像この日は見学を兼ねて様々な料理人の方や興味をお持ちの方が来られていて、皆さん作業をお手伝いされていました。

一休寺納豆はお刺身と合わせたりお菓子に使用したりと、色んな飲食店で活用されているようです。

宇治のLovAさんでは金曜日限定のパン(フォカッチャなど)などに使用されていて、お客様にも好評なのだとか!気に入ってプライベートでも使用されているそうです。

祇園 HANA吉兆の料理長の方は、(作業は)思っていたよりも大変だった、とのこと。こちらのお店でも今後、一休寺納豆を料理に取り入れようと考えておられるそうです。例えば赤だしに少し加えてコクを出したり、スイーツに利用したり出来るということ。

一休寺納豆取材日の工程3の画像さて、木桶の中には約25kgの塩を溶かした熱湯が入っています。そこへ住職の方が先ほどの黒豆などを入れ、丁寧に混ぜられました。

一休寺納豆の入った木桶の画像そしてここから約1年ものあいだ、天気が良い日の朝に蓋を開けて干し、かき混ぜ、夕方に閉める作業を繰り返されます。4月頃からは上の部分のみを少しずつ取って乾かし、別の桶に入れるという作業も。

1年後には製品として形になるそうですが、こちらでは更に約1年、別の場所に置いて熟成させるという事です。発酵食品の一休寺納豆は、熟成させると少し酸味が出るものの、塩辛い味がまろやかになるそうです。すごく手間と時間がかかっているんですね!

こちらのお寺の喫茶では一休寺納豆を使ったソフトクリームを提供されていて、人気も高いそうです。

実際にいただいてみると、甘じょっぱさの中に深みがあって美味しかったです。下にはサクサクのメレンゲが入っていて相性も良く、最後まで楽しむ事ができました。