興聖寺で坐禅体験してきました!自分自身を見つめ直す機会にも【ALCOレポート/京都府宇治市】

興聖寺(京都府宇治市宇治山田)で坐禅体験をしてきました!お寺の方に境内を案内していただいたり、初めて坐禅を体験したり、ちょっと立ち止まって人生について考えてみたり…と、とっても有意義な時間を過ごしましたよ!
(記事の内容は2021年10月28日時点のものです。)

興聖寺の座禅体験の画像

 

色々すごい、興聖寺の坐禅体験

興聖寺の画像

興聖寺はなんと、全国で1万4千以上ある曹洞宗寺院の中で最古の「曹洞宗 初開道場」なんです。(すごいですよね!)

しかも道元禅師が中国から戻って来られて一番最初に建てられたお寺なのだそう!深草に開かれた後、永井尚政公がこの地に再興されたという事です。

そして、坐禅体験をさせていただくのは修行僧の方が普段寝起きされている「僧堂」という場所!このような所で坐禅体験ができるのは珍しいそうです。

さらには坐禅の前にお寺の方に境内を案内していただく事もできて、色々見たり聞いたりと嬉しい体験がいっぱい!

では、さっそく行ってきます!

 

境内もとっても素敵!

興聖寺は左右対称の造りをしていて、代表的な禅宗の「七堂伽藍」(主要な7つのお堂がそろった建築)になっているそうです。

茶筅塚の画像

宇治と言えばお茶ですが、この辺りは室町時代に指定された優れた7つの茶園「七茗園」の1つ、「朝日園」があったそうです。境内にはお抹茶を点てる時に使う茶筅(せん)のお焚き上げを行う「茶筅塚」もありますよ!

「血天井」の画像

それから、法堂では血に染まった手形や足形が残る「血天井」を見る事もできました。伏見城の解体にともなって、その遺構が用いられたそうです。

歩くときしむ、鶯張りの廊下もありました!

ご本尊は道元禅師が作られたと伝わるお釈迦様。合掌して、心静かに拝ませていただきます。

それからお庭に鶴や亀がモチーフになった石が置かれていたり、坐禅を組むための「坐禅石」などもありました。

手習観音の画像

そして、源氏物語宇治十帖の手習之古蹟(手習の社)に祀られていたと伝わる手習観音も拝見できました!

よく見ると観音様の右足親指が少し上がっていたのですが、それは人々に歩み寄る意思を表しているのだそうです。

三面大黒天の画像

三面大黒天は、その名の通り3つのお顔をお持ちです。正面は大黒天、右は毘沙門天、左は弁才天。

最澄のために人々の守護神になろうとされた大黒天様ですが、お坊さんの人数を千人だと想定されていたところ、最澄が「3千人」だとおっしゃったので、再度出直し3つのお顔をお持ちになって戻って来られたそうです。

「お坊さんが食で不自由しないように」と、今も僧堂のお隣りで見守っておられるそうですよ!

「開梆(かいぱん)」の画像

ほかにも魚の形をした「開梆(かいぱん)」が2つもあるなど、まだまだ知らない事が沢山ありました。

興味のある方は、ぜひ実際に行ってみて下さいね!

 

では、坐禅指導をしていただきます。

そして、いよいよ坐禅体験。

坐禅は初めてだったので、坐禅指導をしていただきました。

なぜか「坐禅は正座をするもの」だと思い込んでいたのですが、実際には足を腿(もも)の上に乗せるかたちで足を組みます。(そういえば坐禅を「組む」って言いますよね!なんで気付かなかったんだろう…。)

難しい人は、無理のない座り方で大丈夫。足が痛い方は椅子に座ってもできるそうです。

足を組んだら前後左右に体をゆっくり揺らし、背骨を一つひとつ積み上げていくイメージで真っすぐ姿勢を整えて、最後に頭を乗せてバランスをとります。筋肉はできるだけ使わずに。

目は閉じるものだと思い込んでいたのですが、正しくは「半眼」でした。

不思議な事に、半眼になると心が坐禅モードに入りやすくなりました。目を完全に閉じている時とはまた少し違う心理状態になれて面白いです。

「人の心ってやっぱり体から影響を受けているんだな~」なんて思っていたら、もう1つ「呼吸(息)」も大事な要素だそうです。

体と呼吸をととのえると、自然と心もととのうのだそう。坐禅の際は深く呼吸します…。

そして後は、すごくシンプル。禅宗では坐禅を行う際、悟りすら求めずに「思いを手放す」のだそうです。昨日の事も明日の事も、すべてを忘れてただ座るのだそう。

もし頭に何か思いが浮かんできたら、それを追いかけるのでも追い払うのでもなく、川の流れのようにただ眺めます。「無」になるのは難しそうですが、これならできそうな気がしてきました!

坐禅の時間は相談可能。今回は15分間にさせていただきました。(もっと長い時間の方もおられるようですが、このくらいの方が多いそうです。)

 

いよいよ坐禅!

僧堂の画像1

それでは僧堂へ向かいます。

手は「叉手(しゃしゅ)」といって体の前で左手を握り、右手で覆って軽く体に付けたまま歩いて行きます。

僧堂の画像2

僧堂の中へは左足から入るなど、ここでも作法などを色々教えていただきながら、畳の上へ。分からない事だらけですが、一つひとつ教えていただけるので安心です。

それから、坐禅と言えば肩のあたりをビシッと打たれるイメージがあったのですが、こちらのお寺では一般の方にはそのような事はされないそうです。

静寂の中で、壁側を向いて、ただ自分自身と向き合う時間…。

興聖寺の座禅体験の画像

坐禅が始まるとさっそく、つい先ほどの事や前日の出来事などが頭の中に浮かんできました。

それを「ダメだ!」と追い出そうとすると逆にそこに捕らわれてしまいそうですが、「ただ眺める」という事だったので、そのまま受け流すようにしていました。

私の場合はどこか痛い、かゆいといった体の事はまったく気になりませんでしたが、頭の中が想像以上に騒がしくて、お仕事の内容が思い浮かんだりして、いかにも現代人っぽい感じでした。

少し気を抜くとつい色んな事を考えてしまっていたので、言葉や文字で色々考えないように、ただ映像としてぼーっと眺めるようにすると、凪のような状態になったりもしました。

とはいえ私は最後まですべてを忘れる事はできませんでしたが、初めてでも「無」の状態を経験される方がおられるようです。(その方は「何も考えないってこういう事なんですね!」「あっという間に終わってビックリしました!」と、すごくリフレッシュされたようでした。)

もしかしたら私も回数を重ねるうちに見える景色が変わるかもしれませんが、今回は今回で「初めての坐禅体験」という貴重な経験になりました。何事も経験ですね!

自分の心の様子について知る事もできて、自分という存在を見つめ直す機会にもなりました。

 

有り難いご法話も。

そんな坐禅体験の後は、有り難いご法話をいただく事ができました。

その中で、今回は「自分の中にある常識(あたりまえ)って何だろう?」など色々考えたり、自分という人間を少し違う角度から俯瞰して見るきっかけを与えていただいた気がします。

その後で改めて今回の坐禅体験を振り返るとまた少し違った見え方をして、「今回の体験は本当に意味があったなあ…」と思いました。

人生の中でこんな風に立ち止まって自分自身と向き合うタイミングってきっと必要なんだろうな、なんて思ったり。

御朱印の画像そして最後に御朱印をいただきました。

御朱印帳の画像御朱印帳を持っていなかったので、今回はこちらのお寺のものを購入させていただく事に。表紙も素敵で嬉しいです!可愛い入山許可証もいただきました。

そんなこんなで「是非また来させていただこう!」と心に決め、坐禅の余韻にひたりつつ、ゆっくりお寺をあとにしました。

 

興聖寺 坐禅体験 概要

住所 京都府宇治市宇治山田27-1
所要時間 約1時間程度
体験料 1,500円(拝観料・御朱印を含む)
※坐禅が組める服装で参加(ミニスカート、タイトスカート、伸縮性の無いズボンなどは適しません。)
※12歳以下のお子様は坐禅体験はできません。
※新型コロナウイルスの感染状況などにより中止になる場合あり
WEB予約 https://ars-ucta.linktivity.io/activity/ja/LINKTIVITY-koshoji_zazen
(こちらの概要は2021年10月28日時点の内容です。)