2021年11月21日(日)、黄檗山萬福寺(京都府宇治市五ケ庄三番割)境内で開催予定の「伝説の茶農家・茶商によるプレミアム大茶会」。
「最高の茶葉」を使った「最高の淹れ手」による「1日限り」の大茶会という事で、とにかく色々プレミアム!
茶農家や茶商の方々によるお茶席なんて、なかなか体験できませんよね。
しかも抹茶、煎茶、玉露…と色んなお茶席があって、「普段着で誰でも気軽に楽しめる」というのも嬉しいです。
今回事前に体験させていただいたのですが、「お茶好きな方はもちろん、普段お茶をあまり飲まない方や、お茶についての知識がない方こそぜひ行ってみてほしい!」と思いました。
お茶の面白さ、ここに在り。きっとお茶の世界がぐんと広がると思います!
※こちらの記事は一般社団法人 京都山城地域振興社(お茶の京都DMO)様の提供です。
こちらのイベントは、基本的には事前予約制となっています。(当日お茶席に空きがある場合に限り、1席800円の当日券が販売される予定です。)
まず会場で、チケットと引き換えにお茶席券を受け取りましょう。(ワクワク!)
色んなお茶席がある中で、約30分間のお茶席を3席楽しめます。
お茶席受付で「希望の時間・場所・亭主の方」をお伝えすると、先着順で空きのある所から案内していただけますよ!
ではでは実際のプレミアム大茶会当日をイメージしながらご覧ください!
※当日は萬福寺の一般非公開伽藍(国・重要文化財)などが会場になります。(待ち時間は境内を見て回る事ができます。)
※今回ご紹介するのは体験の一例です。
パリでグランプリを受賞!開発秘話とともにいただく「成里乃」
最初に訪れたお茶席の亭主は「株式会社堀井七茗園」園主の堀井 長太郎様です。
堀井七茗園さんの「奥ノ山」茶園は、なんと宇治で一番古い茶園だそう!足利将軍家が指定した7つの優れた茶園「七茗園」のうち、唯一現存している茶園です。(いきなりすごいお茶席に来てしまいました!)
今回は、こちらの茶園で20年もの年月をかけて開発された「成里乃(なりの)」をいただきます。
成里乃の開発秘話など色々お話していただきながらお抹茶を点てて下さるのですが、「すごい!」と驚く内容ばかり。
そんな成里乃をいただけるなんて、「なんて有り難いんだ…」と早くも幸せをじわじわ実感してきます!
さらに今回のお茶席では作法などを気にせず気楽に楽しめるという事で、有り難いやら恐れ多いやら。とにかく、この場を楽しむ事に集中します!
と…目の前でお抹茶の用意をして頂く中で、お抹茶やお湯の量り方にも興味を引かれました。
お抹茶は茶杓での目分量ではなく天秤ばかりを使い、丁寧にきっちりと量られます。
成里乃本来の風味が分かりやすいように少し濃い目で点てた方が良いということで、今回はお抹茶2gに対してお湯60ccを使用されました。(贅沢!)
では、点てて頂いたお抹茶をいただきます!
茶碗を手に持つと、お抹茶の美しい色と香りに早くもうっとり。
いただいてみると…
「わ~、贅沢な味!」
何ともまろやかで、ふくよかな味わい。とっても良い香りと旨みに包まれて、至福の時を過ごしました。
お抹茶の良いところだけがぎゅっと濃縮されていて、それが口でほわ~っと広がっていく感じ。
何と言ってもこれだけ濃いのに、苦みや渋みをほとんど感じなかった事にビックリしました!
普通はお菓子をいただいた後にお抹茶をいただきますが、成里乃の風味を楽しむために、今回はお菓子で口が甘くなる前に、まずお抹茶からいただきます。
きっと皆さんも実際に飲むと、「そういう事だったのか!」と納得されると思いますよ。
そんな成里乃は平成22年に全国茶品評会で一等一席農林水産大臣賞を受賞して日本一となり、さらに昨年はパリで行われた日本茶コンクールでグランプリに輝いたお抹茶だそうです。すごいですよね!
そんなお話のほかにも、貴重なお話を色々お聞きする事ができました。
堀井七茗園さんのように茶園がありお茶の生産から加工、販売までをされているお茶屋さんは数少ないので、そんな堀井様ならではのお話もとっても興味深かったです。
そして「宇治ではお茶の味でおもてなしを」「さすがは宇治のお茶だと思っていただきたい」といった熱い思いをお聞きする事ができて、こちらも胸が熱くなり…色んな感動のつまったお茶席体験となりました。
「お茶と語り合って。」これが冷茶の旨み、甘み!
次に向かったお茶席はこちらです!「株式会社もりた園」代表取締役の森田 治秀様から冷茶(煎茶)をいただきます。
茶葉は森田様みずからが厳選されたもの。
氷をたっぷり使用し、お水を注いで約10分。
お茶が出るまでの間、色々質問したりする事ができます。(嬉しい!)
茶葉の保存方法をお尋ねすると、誰でも簡単にできそうな方法を教えていただけました。この日お家に帰って、さっそく実践しましたよ!
色んなお話をお聞きする中で茶葉の性質について少しだけ詳しくなって、お茶にとっても興味がわいてきたところで、10分が経過。
さっそくお茶を注がれると…
「なんて綺麗な色!」
旨みがつまった最後の一滴まで、余さず入れて下さいます。
お急須に残った茶葉からは、お茶の良い香りがふわ~んと漂いました!
さあ、いよいよお茶をいただく時。
「すべては茶葉が語ってくれるので、お茶と語り合って」と粋な事をおっしゃいます。(素敵!)
早速いただいてみると…
「わ、すごい!」
お茶の強い旨みと甘みを感じました。
先ほどのお急須の良い香りがそのまま味に表れたような印象。
この美味しさが、本来茶葉が持つ味わいだそうです。
旨みの余韻がしばらく口に残っていて、まだ幸せ…。
お茶と語り合う、美味しくて深~い体験。五感が刺激されました!
と…そんな中、今お茶を出したばかりの茶葉の上に氷とお水を入れ、もう一度冷茶を作って下さいました。
先ほどは10分間でしたが、今度は約5分待つのだそう。
美味しいお茶とお菓子をいただきながら楽しくお話していると、本当にあっという間の5分間。
さっそく2杯目をいただくと…
「さっきと違う!」
先ほどは強いインパクトがありましたが、今度はやさしくて上品な味わい。お茶についてますます興味がわいてきます!
さらにお家で楽しむ場合は、この後同じ茶葉に熱湯を注いでまた楽しめるという事。
少しの茶葉でこんなに何度も楽しめるなんて、とっても嬉しいし面白いです!
冷水から始まり最後に熱湯、という順番もお茶の特徴を熟知されている方ならではの楽しみ方。
一連の流れの中で分量やタイミングなど一つひとつ丁寧に教えていただけたので、「お家でも絶対やってみよう!」と思いました。
今日からお家でのお茶の楽しみ方が大きく変わりそう!そんな素晴らしい(しかも一生役立つ)お土産をいただけて嬉しいです。楽しかった~。
一般に出回らない、貴重な煎茶を味わって。
次のお茶席の亭主は、「中窪製茶園」園主の中窪 耕司様です。こちらのお茶席では八十八夜に品評会のために手摘みされた、貴重な煎茶をいただく事ができます!
一芯二葉(枝先の新芽と、すぐ下の2枚の小さな葉だけを摘む方法)で摘みとられた贅沢な茶葉で、煎茶の部門で言うと、このように摘まれたお茶は一般には出回らないのだとか!
お湯はまずお湯飲み注がれ、次に湯冷ましに移されて、手で器の温度をみられた後、お急須に注がれました。
それから少し待って茶葉の様子を確認されると、それぞれのお湯飲みに少しずつまんべんなく注いでいき、最後の一滴まで注がれました。
この工程の一つひとつにはもちろん意味があり、後でうかがったところ「なるほど!」と思う事ばかり。
たとえば最初にお湯飲みにお湯を入れるのは器を温める為でもあり、また、お湯を違う器に注ぐごとに約10度ほどお湯の温度が下がるそうです。(けっこう下がるんですね!)
プロの方ならではの感覚で温度をみてタイミングを計っておられたように感じたのですが、普通70~80度くらいで淹れるところを、約60度の低温で甘みを引き出しておられたようです!
淹れて頂いたお茶をいただくと…
「美味し~い!」
舌の上に旨みと甘みが残って、じ~んとする感じ。
まろやかさも繊細さも感じる豊かな味わいに、幸せいっぱいになりました!
今回いただいたのは「やぶきた」といって、他のお茶の特徴をみる時の比較対象として基本となるような品種だそうです。
全国で最も多く生産されている品種だそうですが、今回いただいたお茶は、やっぱり普段家で飲んでいるものとは味も香りも全然違いました!
身近にあるお茶ですが、色々お話をうかがっていると意外と知らなくて「へーっ!」と思う事があったり、生産者の方ならではのお話も聞けてすごく面白かったです。
色々教えていただいたので、「今度はこの品種を買ってみたい!」「この品種のお茶を、もっと色々試してみたい!」とお茶の世界が広がって、お茶についてもっと色々知りたいと思いました。(それを「ハマってる」って言うのかも?)
さらに、実際にはこの後「おくみどり」という品種をいただいて、品種による味や香りの違いを体感できるという事です。実体験を通して本当の意味で「知る」事ができる、素晴らしい体験になりそうですね!
※亭主の方々には撮影の為にマスクを外していただき、充分な距離をとりながら取材を行っています。
※当日は亭主の方の服装や使用される器などが異なる場合があります。
お楽しみは他にも色々!
心躍る体験が色々待っている今回のイベント!ほかにも素敵な企画が盛りだくさんです。
たとえば今回が初めての出張となる、宇治茶道場「匠の館」の方による美味しいお茶淹れ体験!予約も不要でおすすめです。日本茶インストラクターの方が美味しい淹れ方を教えて下さいますよ!
それから、お茶席で使用された宇治茶葉や亭主の方が選ばれた茶葉を購入する事もできるみたい!
さらにサテライト会場「お茶と宇治のまち歴史公園」では、ブース出展(特産品など)やプレミアム宇治玉露の無料ふるまい、キッチンカーの出店(デザートなど)も予定されています!
サテライト会場ではメイン会場の様子(吉田 利一様、堀井 長太郎様、下岡 久五郎様のお茶席)が中継されたり、宇治茶レディーの方々に会えたりもするようですよ!
合わせて、2021年1月10日(月・祝)までの土・日・祝には観光ループバス「お茶の京都 宇治やんたんライナー」に乗れるので(12月29日~1月4日は運休)、永谷宗円生家や茶宗明神社を訪れたり、湯屋谷の街並みを楽しみながら歩いたりもできます。
お茶の体験がいっぱいで、色んな角度からお茶を楽しめる今回のイベント。11月21日(日)は、一日まるごと「お茶を楽しむ日」にしてみてはいかがでしょうか?
伝説の茶農家・茶商によるプレミアム大茶会 イベント概要
- 開催日 2021年11月21日(日)
- 受付時間 拝観 10:00~/お茶席 10:30~
※三門前にて総合受付 - 茶席時間 11:00~11:30/11:45~12:15/12:30~13:00/13:45~14:15/14:30~15:00/15:15~15:45(全6回)
※各お茶席への入場は開始の5分前から - メイン会場 黄檗山萬福寺(京都府宇治市五ケ庄三番割34)
- アクセス JR奈良線「黄檗駅」/京阪宇治線「黄檗駅」 下車・徒歩約5分
※会場へは公共交通機関でご来場ください。 - 茶席会場 萬福寺境内(全10茶席)
【禅堂書院(3亭主)/隠寮(1亭主)/東方丈(2亭主)/西方丈(1亭主)/五雲居(1亭主)/双鶴亭(1亭主)/鐘桜(1亭主)】
※お茶席は座布団または座椅子
※一部のお茶席にはカメラが入り、サテライト会場(茶づな)へ中継されます。 - 茶席定員 1席あたり6名
※各お茶席 定員になり次第 締め切り - 茶席料金 2,500円(税込)
※茶席3席券(萬福寺拝観料500円を含む)
※当日お茶席に空きがある場合に限り、1席800円の当日券が販売される予定 - 服装 普段着で参加
- 事前申込制
※こちらより申込ページへ⇒https://ochanokyoto.jp/event/detail.php?eid=628 - お問合せ お茶の京都DMO(京都府宇治市宇治乙方7-13/0774-25-3239)
※会場ではお茶席で使用された宇治茶葉や、亭主の方が選ばれたプレミアムな茶葉を購入できます。
※宇治茶道場「匠の館」(日本茶インストラクター)の方の説明付きで、美味しいお茶淹れ体験も楽しめます。(体験料1,000円/お菓子付/予約不要)
※新型コロナウイルスの感染状況により、内容変更または中止となる場合があります。最新情報はお茶の京都DMOのHPでご確認ください。⇒https://ochanokyoto.jp/event/detail.php?eid=628
亭主予定者
- 吉田 利一 丸利吉田銘茶園園主・全国茶生産団体連合会会長
- 堀井 長太郎 株式会社堀井七茗園園主・公益社団法人京都府茶業会議所会頭
- 下岡 久五郎 久五郎茶園園主
- 籠嶋 渉 籠嶋園園主
- 桑原 秀樹 株式会社桑原善助商店代表取締役
- 杉本 剛 株式会社松北園茶店代表取締役社長
- 辻 伸介 株式会社辻利兵衛本店代表取締役
- 古川 嘉嗣 株式会社古川製茶代表取締役
- 山下 新貴 山下新壽園園主
- 森田 治秀 株式会社もりた園代表取締役
- 川邊 佳秀 株式会社丸又園代表取締役
- 中窪 耕司 中窪製茶園園主
- 木野 怜子 株式会社お茶の木野園代表取締役
<特別亭主>
- 二條 雅瑛 二條流家元
(敬称略・順不同)
関連イベント
<サテライト会場>
- 開催日 2021年11月21日(日)
- 時間 10:00~15:00
- 場所 お茶と宇治のまち歴史公園(茶づな)屋外エントランス広場(京都府宇治市菟道丸山203-1)
- アクセス JR奈良線「宇治駅」/京阪宇治線「宇治駅」 より徒歩
※会場へは公共交通機関でご来場ください。 - 参加費 無料
- 内容 宇治田原町・和束町・南山城村の茶畑風景をパブリックビューイングで放映/プレミアム大茶会のお茶席の様子を中継/プレミアム宇治玉露を野点で無料ふるまい/お茶の京都エリアの市町村による特産品等のブース出展
- 小雨決行(荒天の場合は茶づな館内で開催)
<観光ループバス「お茶の京都 宇治やんたんライナー」運行>
- 期間 2022年1月10日(月・祝)までの土日祝
※12月29日(水)~1月4日(火)は運休 - 運行経路 JR宇治駅~京阪宇治駅~黄檗公園(萬福寺前)~平等院(南門前)~郷之口(宇治茶の郷前)~維中前~宇治田原郵便局前~湯屋谷(やんたん前)
- 料金 1,000円(1日乗車券)
※永谷宗円生家や茶宗明神社を訪れたり、湯屋谷の街並みを楽しみながら歩くことができます。