2020年9月22日、「(仮称)お茶と宇治のまち歴史公園」で第1回「覆小屋建築体験イベント」が開催されました。【京都府宇治市】

2020年9月22日(火・祝)、現在整備されている「(仮称)お茶と宇治のまち歴史公園」史跡ゾーンで第1回目の「覆小屋(おいごや)建築体験イベント」が開催されました。

 

 

こちらのイベントは覆小屋の建築過程で段階的に行われる市民参加型体験イベントです。参加された市民の方々の画像今回は建物や上棟祭の見学に加え、木組みの説明を受けたり実際に体験もできるという内容で、ファミリー層など老若男女さまざまな方が集まりました。

上棟祭の画像1上棟祭の画像2(上棟祭の様子)

覆小屋の建築は京都建築専門学校とタイアップした取り組みです。棟上げの画像棟上げは掛け声と共に「トン、トン、トン」と打ち込み、完成すると拍手が起こりました。

建物は木を木で留める伝統的な方法により、しなやかで揺れと共に耐えられる構造になっています。木組みの画像縦横に多くの貫(※)が見られ、土壁には竹を編んだ下地が使用されます。

※貫(ぬき)…補強などのため、垂直の柱等に対して水平方向に通す木材

体験中の画像木組みの体験ではくさびを打ったり、丸太を担いではめたり、木を打ち込んだりと市民の方が普段なかなか出来ない体験をされていました。

覆小屋の前には修景茶園がありますが、こちらも平成28年に市民参加型イベントでつくられたものです。覆小屋の画像この辺りにはかつても実際に茶園がありました。(となりには今も昔から続く民有茶園があります。)

昔、この辺りに太閤秀吉が川を引き護岸を造らせたのですが、その川によって山の砂が運ばれ堆積し、茶園が出来たという事です。

交流ゾーンの建物は現在こんな感じです。「茶づな」の画像先日こちらの建物の愛称が、全国からの応募で「茶づな」に決定しました。「宇治のお茶が1本のつなのようにたくさんの人と歴史をつなぐという願いを込めて」考えられた、市内の高校に通う学生の方による名称です。

完成予定はこの様なイメージです。「(仮称)お茶と宇治のまち歴史公園」交流ゾーンのパース「(仮称)お茶と宇治のまち歴史公園」全体像パース(完成パースは宇治市提供)

「覆小屋(おいごや)建築体験イベント」は今後、11月~来年2月の間にあと5回予定されています。(10月頃、市のHPで案内予定)瓦の画像次回は萬福寺の古瓦で屋根を葺く様子の見学・体験のようです。

【(仮称)お茶と宇治のまち歴史公園】
国の史跡「宇治川太閤堤跡」の保存活用を図り宇治の歴史・文化を伝えると共に、観光振興・地域振興を目的として整備されている2021年6月完成予定の歴史公園。京阪宇治駅からすぐ北西側に位置し、「交流ゾーン」「史跡Aゾーン」「史跡Bゾーン」等から成る。「交流ゾーン」には広場や庭園ができ、建物内にはミュージアム、宇治茶体験室、レストラン・喫茶、ミュージアムショップなどが配置予定。「史跡Aゾーン」は太閤堤が宇治川護岸として機能していた安土桃山時代の様子を表し、茶摘みの体験が出来る「史跡Bゾーン」は護岸が埋もれた江戸時代~明治時代をイメージ。

【覆小屋】
茶園に覆いを被せて玉露や抹茶をつくる「覆下栽培」に必要な物や、茶摘み用の竹かごなどを収納するための小屋。「(仮称)お茶と宇治のまち歴史公園の史跡ゾーン」では宇治市産の間伐材(ヒノキ)、萬福寺の屋根瓦・土、宇治・白川の粘土などを使用し、白川に現存する覆小屋の基本構造を参考に、主に伝統的な手法を用いて建築されている。

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